細い参拝道

前へ 次へ

528 名前: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 04/02/07 01:05

知り合いの話。

彼の地元の山には、古い由緒ある神社がある。
現在は舗装された道路が通じているのだが、昔から使われていた細い参拝道もまだ
残されているという。
その旧い参拝道は林の中に敷かれており、奉納された鳥居が延々と並んでいる。
氏子の中には、こちらの道を好んで通る人も多いのだそうだ。

その参拝道を一人で登ると、奇妙なことが起こるらしい。
いつの間にか、自分の横を誰かが並んで歩いているのだそうだ。
見知らぬ人物ではないようで、二人楽しく談笑しながら鳥居をくぐるという。
最後の鳥居をくぐる頃、気がつくとその連れは消えている。
不思議にもつい先ほどまで楽しく話していたその相手を、どうしても思い出せない。

「おそらく悪い類のものじゃないよ。すごく懐かしい感じがしたな」

そう言っていることからすると、どうやら彼も不思議な連れと一緒になったことが
あるようだ。
その道を一人で登る氏子は、今でもよく見かけられている。




Part6 に戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送